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9条どうでしょう

9条どうでしょう
内田 樹
9条どうでしょう
定価: ¥ 1,260
販売価格: ¥ 1,260
人気ランキング: 70877位
おすすめ度:
発売日: 2006-03
発売元: 毎日新聞社
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

等身大の憲法論
気鋭の書き手四人による憲法論。

まえがきにかえてで内田樹は「脱臼性の言葉」の使い手と
他の三人を評しているが、
おそらくこの本自体が
これまでの憲法関連の本に比べると格段に
(もしかしてほんとに脱臼してるかもというほどに)肩の力を抜いて
読むことができるのもそれに起因しているのではないかと思う。

内田樹の憲法論は各所で話題になっており
本書でもあいかわらず、その内田節が炸裂している。
しかし他の、特に小田嶋隆や町田智浩の憲法論はなじみがない。
この本で彼らそれぞれの「臆断の檻」からの
脱出の術を堪能することができるだろう。



現実と理想が矛盾するからこそ「理想」を追い求める意味がある
他の著書でも内田先生は、「自衛隊海外派遣の最大のリスクは自衛隊員の戦死ではなく、自衛隊が外国人を殺して日本が恨みを買ってしまうことだ」と言っておられたと思いますが、この著書でも「日本は60年平和で繁栄し外国人殺しの罪を免れるという世界に誇って良いp.43疾病利得を得てきた」と主張され、「憲法9条と自衛隊の存在は日本を従属国家化するためのアメリカの戦略p.33で、日本は自らを人格分裂p.44させてこれを受け入れた訳だが、今後も分裂は解消せずに疾病利得を享受すべきp58」と言われています。それはそうなのでしょうが、そうした理屈を掲げて「改憲反対!」と叫ぶことは凡人には無理なのでは。他の著者の意見は「自衛隊を軍隊にするための憲法改正なら賛成p.71(町山氏)」など驚くようなことを言われていますが、要するに「理想の国を目指すことを止めて普通の国になるための改憲には反対」というまっとうな主張です。同様なことは警察官僚出身の大物議員だった、故後藤田正晴氏も言われており(「語り遺したいこと」岩波ブックレット) 改憲反対の根拠としてはこちらの方が説得力があると思います。いずれの著者も一般的護憲派と異なり「徴兵で戦争に行かされるのは嫌」理論は採用していないのが特色、「戦争はプロ軍人がやるから、一般人は大丈夫」という改憲派の理屈に対抗できており、他の改憲反対本より説得力があります。

効くぜ!
内田樹さんはこれで6冊目なんですけど私は毎日新聞で樹さんの追悼に関する文章を読んでハマッた元僧侶です。4冊目まではその毎日の記事に匹敵する程の感銘を得られなかったんですが5冊目の私家版ユダヤ文化論辺りから徐々に効いてきて本書に到ってはあまりの珍味に1・2P読んでは煙草を一服焼酎を2・3口惜しみつつ読んでいたのにもう半分も読んでしまった。樹さんは終わったなんて言う早くからの読者もいるみたいですが、売れてからの著作のほうが緊張感を感じる。この生きにくいご時世に樹さんの著作と出会ってなかったら私はたぶん壊れてた。本当にしみじみ有難く思います。自分の馬鹿さと蛮勇を深く深く自省しつつ…。



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